テンプルこぼれ話

テンプル大学ジャパンキャンパス 広報部blog

どの国からテンプルジャパンへ?~ノルウェー出身 ナターシャ・ヴィックさん

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TUJの学部課程では、世界各国から集まった学生達が、東京麻布のキャンパスで一緒に学んでいます。学期によって多少の差はありますが、全体の7~8割を米国または日本の国籍をもつ学生が占め、残りの2~3割は世界40~50ヶ国の外国国籍の学生からなり、テンプルジャパンの学生の多様性を特徴づけています。今回はその日米以外の外国人学生にフォーカスし、「どの国」から来て「どういう経緯」でTUJで学んでいるのか、そして出身国のことや、日本での生活についてのお話を聞いてみようと思います。

今回お話を聞かせていただくことになったのは、北欧のノルウェー出身のナターシャ・ヴィックさん。ノルウェーと聞いて思い浮かぶものは何でしょう?ノルウェーサーモン、オーロラ、フィヨルド、白夜などでしょうか?ノルウェーは、北海道よりもずっと北、スカンジナビア半島の西側に位置した北ヨーロッパの国。面積はほぼ日本と同じですが、人口は約500万人。日本の人口が約1億3千万人なので、日本の約26分の1の人々が住む国です。地図で見るといかにも寒そうですが、近くを暖流が流れているせいで、北に位置しているわりには暖かいのだそうです。首都オスロはシベリアよりも北に位置し、オーロラを毎年見られそうな印象を受けますが、オスロ出身のナターシャさんによると、オスロでオーロラが見られるのは本当に稀なのだとか。実は、彼女自身、まだ一度も見たことがないんだそうです。オスロよりもっと北の地方に行くと見られるそうですが、「ノルウェー」イコール「オーロラ」という私の中でのイメージ、意外にもノルウェーの一部にしかあてはまらないということが分かり、驚いてしまいました。

そもそも彼女はどうしてノルウェーから、こんなに遠い日本にあるテンプルに入学を決めたのでしょうか?まずは、基本的なことから聞いてみました。

ナターシャさん:
叔父さんが日本に住んでいた関係で、日本にはずっと興味がありました。私が幼いころ、日本での叔父の結婚式に父が参列し、お土産に浴衣を買ってきてくれたんです。それが一番古い日本の記憶で、日本に興味を持つきっかけだったと思います。高校の時、日本語のクラスをとり、日本語をもっと上達させたいと思うようになりました。そのためには日本に行くのが一番と考えたのですが、語学学校には行きたくありませんでした。大学に進学して学位をとりたかったので、英語で授業を受けられる日本にある大学を探していたところ、知人からの紹介で、アメリカの大学の日本校であるテンプルジャパンの存在を知りました。

ノルウェーから日本に来て、カルチャーショックは大きかったのでは?

ナターシャさん:
(少し考えこんで)あまり無かったです。日本の映画や写真などを見ていたので、ある程度予想していたからかもしれません。あと、日本に来て始めはホームステイをしたのですが、とても良いホストファミリーに巡りあえたことの影響が大きいかもしれません。理解できないことがあると、ホストファミリーが丁寧に根気よく教えてくれました。そのおかげか、文化の違いに驚き落ち込んだりネガティブな気持ちになったりした記憶はあまりありません。

大分文化の違いがありそうだと思っていたので、その返答は意外でした!ホストファミリーのサポートがあったとはいえ、なかなかそうはいかないような気がしますが・・・?

ナターシャさん:
私の母はイタリア人で、日本に住んでいる叔父さん以外にも、海外に住んでいる親戚が何人かいるので、もともと異文化に対してオープンマインドな環境で育ったことが影響しているかもしれません。あと、嫌なこと辛いことがあっても、自分が楽しいと思えることをしているうちに、大体忘れてしまう性です。なので、辛い思いをしたことがあったかもしれませんが、実際は覚えていないだけかもしれません。ネガティブな気持ちになると、私の場合は、部屋に閉じこもっていないで、とにかく外に飛び出します!東京の街を歩いたり自転車で走り回っているうちに、嫌なことを忘れて元気になれるんです。実は「散歩をすると元気になれる」と、私たちノルウェー人は信じているんです。ノルウェーでは雨が降ろうが、雪が降ろうが、子どものころは外で遊ぶよう、外に放り出されて育つんですよ(笑)。そういえば、日本に来たとき、ちょっとした雨でも皆がいっせいに傘をさして歩く光景にびっくりしました。それは、ちょっとしたカルチャーショックといえるかもしれません。

なるほど!ナターシャさんには、カルチャーショックを受けても、うまく消化する秘訣がありそうですね。

・・・カルチャーショックはそれほどでなかったとのことですが、今はスラスラ受け答えができるとはいえ、日本語の習得はさすがに難しかったのではないでしょうか?

ナターシャさん:
実は、語学はなぜか得意で、人よりも苦労せず外国語を習得できるみたいです。母国語のノルウェー語と英語のほか、イタリア語、フランス語、スウェーデン語が話せます。語学は私にとって得意分野なのですが、数学がどうしても苦手です。。。今は、日本語と一緒に韓国語を勉強中です!

韓国語もですか!?

ナターシャさん:
はい。実は東日本大震災のあった2011年の秋から2学期間、韓国にも留学していました。震災後の夏、オスロで悲惨な事件(7/22 ノルウェー連続テロ事件)が起き、いてもたってもいられなくなりオスロに帰り家族との時間を大切にすごしました。静かで、平和で、私にとって特別な場所で、あのような悲惨な事件が起こったことと、日本での震災体験が重なって、さすがにストレスがあったのだと思います。全く別の環境で、気持ちをリセットするために、韓国に留学することにしたんです。梨花女子大という世界最大規模の女子大だったのですが、緑の多い広大なキャンパス、気の合う友人にも恵まれ、とても良い時間をすごしました。

その韓国留学を経て、2012年夏学期にテンプルジャパンに戻ったんですね。
その夏から出身地オスロ発のカフェ「Fuglen Tokyo」で働きはじめたそうですが、日本で、ノルウェーの文化発信地になりつつあるカフェで働くことで、祖国ノルウェーへの見方など何か変化はあったのでしょうか?

ナターシャさん:
Fuglen の海外進出第一号となる東京支店は、本店と同じくノルウェーのビンテージ家具が置かれて、日中はカフェ、夜はバー営業をしているところです。北欧のコーヒー業界は実はクォリティーが高くて、世界中から注目が集まっているということ、その北欧で焙煎されたコーヒーを日本で飲めるカフェとしてある雑誌に紹介されると、あっという間に週末は行列ができる人気店になりました。日本で駅前の自動販売機の缶コーヒーを買って、ほっこりしていた私が、まさか自分がオスロでも有名なカフェの支店で働くことになるとは思ってもいませんでした。著名人が訪れたり、コーヒーやインテリア関連のイベントを開催したりと、刺激的な職場です。私がノルウェー出身ということで、ノルウェーのことをよく質問をされるのですが、答えられないことも実は多くて残念な顔をされることがあり、申し訳ない気持ちになることがあります(笑)。職場ではコーヒー以外にもカクテルの作り方や、ノルウェーのビンテージ家具の知識も要求されるので、通常のカフェ以上に覚えることがたくさんあり、大変なところもあります。でも、ノルウェーといえば、「石油」と「サーモン」くらいしか知られていなかったのに、カフェを通して、コーヒーやそれ以外のノルウェーの魅力に、日本の方が興味をもってもらえるきっかけになっていることは、とても誇らしく思っています。その貢献が評価されたのかは分かりませんが、去年の秋にはノルウェーの大統領が訪れたほどです。ノルウェーでは、日本のマンガやテレビ番組が昔から放送されているので、日本に興味ある人がたくさんいます。2月に日本との間でワーキングホリデー制度が導入されたので、これからたくさんのノルウェー人が日本にやってくるんじゃないかと思います。日本の若者も、この機会を活用してぜひノルウェーに行って、日本以外の国のことも知ってほしいです。

ノルウェーと日本、今後親交が深まりそうな予感がしますね。最後に、将来について聞かせてもらいました。

ナターシャさん:
将来就きたい職業は、実はまだ決まっていません。来年にはテンプルを卒業する予定ですが、もしかするともう一度韓国に留学するかもしれません。でも、少なくとも10年はヨーロッパに戻らず、日本や韓国などアジアを拠点に活動していきたいという思いだけは、はっきりしています。今、欧州は経済的にも大変で、イギリスとフランスに留学し、5ヶ国語が堪能で優秀な私の友人でさえ就職先を見つけるのに苦労している状況です。それに比べると、アジアの方が今後のポテンシャルが高いと感じています。日本と韓国に留学して、たくさんの才能ある若いアーティストが埋もれていることを知りました。もし可能であれば、友人と会社を作って、彼らの作品を世の中に紹介するサポートができたらと思っています。それから、私は東京という街が大好きです。高層ビルの合間に古い民家があったり、こじんまりとした昔ながらの駄菓子屋があって、そこでおばあさんが店番をしていたり、知れば知るほど奥深い街です。通常のガイドブックでは見つけられない、私自身が道に迷いながら見つけた東京の隠れたスポットを紹介するガイドブックを作るというのも、心にあたためている計画のひとつです。

学業、カフェでの仕事、そして港区の小学校を訪問してノルウェーを紹介するボランティア活動をしたり、と多忙な毎日を過ごしているナターシャさん。彼女が東京中を歩きまわって見つけた、外国人の目を通して東京のスポット紹介するブログには、フォロワーもたくさんいるようなのですが、残念ながら現在は休止中とのこと。卒業まで多忙な日々は続きそうですが、再開したら見てみたいものです。彼女が作る東京のガイドブック、違う視点から東京を見る街案内として、日本人にも興味深い内容になっていそうで楽しみです。

w. watanabe

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