テンプルこぼれ話

テンプル大学ジャパンキャンパス 広報部blog

シラバス考 ― 第3回 シラバスに関するテンプル大学のポリシー

3件のコメント

こちらのブログではお久しぶりです。
ウェブマスターのほうの渡辺です。

2010年11月に第2回 シラバス考を書いてから、2年以上の時が経ってしまいましたが、シラバス・シリーズの第3回目をまとめてみました。

【シラバス考シリーズ目次】

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2月19日(火)にテンプルジャパンで開催されたプレスセミナー『シラバスとは?GPAとは?コースナンバリングとは?「大学生に勉強させるための仕組み」~米国大学における運営の実際』とも関連する内容なので、参加された方々にも参考になれば幸いです。

今回の【シラバス考】では、テンプル大学のシラバスに関するポリシー(規則)をご紹介します。

まず、興味深いのは「Student Rights(学生の権利)」がまとめられた大学のポリシーに、講師が学生にシラバスを提供することは義務付けられていると名言されていることです。

これは、規則であり、できれば提供するといった甘いモノではないことを明確にしています。

以下、「Student Rights」からの引用:

Course Syllabus
Instructors are required to supply a detailed syllabus explaining course rules and expectations for courses in which you are enrolled. The content requirements for course syllabi are enumerated on the Temple Policies & Procedures web site at http://policies.temple.edu/getdoc.asp?policy_no=02.78.13.

講師は、コースの規則やコースで学生に期待されることなど、詳細にわたるシラバスを学生に提供することが義務付けられています。コースシラバスの内容の必要条件はテンプル大学ポリシーと手順のウェブサイトを参照してください。

では、テンプル大学が定めるコースシラバスの内容の必要条件とは、どんなものなのでしょうか?上述のウェブサイトの内容(PDF)をそのまま意訳してご紹介します。

ポリシーの適用範囲と背景:
教員が学生に十分な情報を提供し、学生のアカデミック・ワークのプランニングを補助することに従事することを認め、学生は各コースの第1週にシラバスのすべてを提供される。教員は[シラバスに記載した]スケジュールや参考文献などを必要に応じて変更してもよい。このポリシーの例外は、学部長の承認により可能とする。

ポリシーの内容:
学生は、コースシラバスで少なくとも以下の情報を提供されるべきである。

  1. 講師の氏名、オフィスの住所、電話番号、大学のメールアドレス。オフィス・アワーなど、講師が学生とやり取りするために必要な情報と手段
  2. コース名、コース番号、必修科目(事前、同時)、特別に必要なスキルや知識
  3. 時間と場所。特別セッションの情報
  4. 身体などの障害に関する告知
    (略)
  5. 学生と教員の学術権利に関するポリシーの告知
    (略)
  6. コースの目的と履修後に学生が達成すると期待される修得内容
  7. すべての必修の読書、支給物、機材、材料などの情報と、それらを得られる場所の情報、また、講師がそれらを提供するか否かの情報
  8. コースのすべてのアカデミックな必修条件と、それら実習が行われる、または、課題が提出されるべき日程。講師は、妥当な事前告知のもとに、これらの課題や日程を変更することができる。ポップテストのような準備なしのテストなどが課されるか否かの情報
  9. 講師の評定ポリシーと課題や実習に割り当てられる比率。クラスの出席率、クラス参加、遅れて提出された課題に関するポリシーも含む

コースの第1週が終わるまでに、各講師はシラバスのコピーを2枚、学部オフィスまたは学部長に提出する必要がある。学部オフィスが1枚、図書館もしくは指定されたリポジトリに1枚、保管する。

— 「Temple University Policies and Procedures Manual – Course Syllabi (PDF)」からの引用と意訳

自分の学生時代を思い起こしてみると、僕が通っていたアメリカのタフツ大学(1994~98年)でも、たしかに1回目の授業で同じような情報(たぶん、ここにあるすべての情報を網羅していました)を、実際に提供されていたと記憶しています。多少、教授の方々も事務的だったような記憶がなくもないですが、それでも、シラバスの内容を参考に、どこにフォーカスして、どうやって勉強するかプランを立てるために活用していました。

こうやってポリシーの項目を一つ一つを見ていくと、体系的なカリキュラムの一部としてのコースには、シラバスに掲載されるべき内容が大学、学生の双方にとって必須な情報だと改めて思わされます。学ぶ目的と手段を明確にして、成果が目に見えるような工夫がシステム化されている。僕にはそう感じます。

もちろん、良い成績をとることだけが高等教育機関での「学び」のすべてではないと思うので、もしシラバスが「要領よく講義をこなすこと」のみに使われてしまった場合、弊害があるかもしれません。しかし、シラバスでここまで条件を明確にしていれば、学生も一番重要な勉強に集中できます。そして、目標やプランを立てて、それらを実行することを繰り返し練習していくことで、自ら学ぶことを体で覚えられるのではないしょうか?

今考えると、アメリカの大学で学んだ一番大切なことは、もしかしたら「自ら学ぶことの楽しさ」だったのかもしれません。そして、それを間接的にでも促しているのが、考えぬかれたカリキュラムであり、そのために必要なシラバスなどのツール群なのかもしれません。素人考えですが、長い年月をかけて、より効率的に、より深く学ぶためのカリキュラムを構築してきたアメリカの高等教育は、なかなかのものだと改めて思わされました。

次回は、テンプルジャパンの学生が、シラバスについてどんな意識を持っているのか、調査ができればと考えています。気長にお待ちください!

【シラバス考シリーズ目次】

シラバス考 ― 第3回 シラバスに関するテンプル大学のポリシー」への3件のフィードバック

  1. ピンバック: シラバス考 ― 第2回 そもそもシラバスとはいったいなんなのか?(1) | テンプルこぼれ話

  2. ピンバック: シラバス考 ― 第1回 そもそも日本でシラバスが広まった理由 | テンプルこぼれ話

  3. ピンバック: Welcome! 夏の新入生たち | テンプルこぼれ話

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