テンプルこぼれ話

テンプル大学ジャパンキャンパス 広報部blog

コスト削減と職員数と卒業率

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テンプル大学に対するペンシルベニア州からの補助金が減額になるかもしれない、というので、学生たちがアピール集会を開いた、という話を2月にお伝えしました。

その後、コルベット知事が発表した予算案では、テンプル大学への補助金は50%削減というシビアなもの。この予算案が州議会にかけられるまで、本校ではハート総長以下活発なロビイングが続いています。

とはいえ40億ドルの財政赤字を抱えるペンシルベニア州。満額回答はあり得ない、という前提のもと、ハート総長は来年度(7月~)予算作成にあたって、いくつかの指針を示しました。

当然、授業料の値上げだけでカバーしきれないわけですから、どこまでコスト削減できるかがポイントです。

具体的には、

○ 非組合の教職員給与の凍結

○ 新規採用の凍結(寄付金収集、アカデミックアドバイジングなど例外ポジションあり)

○ 出張の制限

○ 福利厚生パッケージの見直し

○ 管理業務部門の人員削減の可能性追求

・・・など。

柱になるこれらの項目は、2年前の予算指針と同様です。このときは予算案そのものが議会を通過せず、あわや補助金ゼロ?という非常事態でしたが、今回も相当時間がかかりそうです。

さて、そのハート総長の発表のなかで、いくつか参考になる数字が載っていたので拾ってみます。

1993~2007年までの14年間で、テンプル大学は、フルタイム学生100人あたりの職員数を26%削減(全米平均では39%増加)。(2010年8月発表のGoldwater Institute報告書より)

以前のブログ記事で、「この10年でアメリカの大学進学者数は26%増えている」という数字を紹介しました。ストレートにパーセンテージを比べることはできませんが、要するに、アメリカでは学生の増加を上回る勢いで職員が増えているのは確かでしょう。

スケールメリットの効かない世界。・・・といって、授業料の上昇でまかなうのも限界。

で、全米大学実務者協会などでは「コスト削減と生産性の向上」が語られ始めているわけですが、その中で、テンプルは学生100人あたり職員数を既に26%減らしているのですから、なかなか時代を先取りしているといえるのかもしれません。

それでもさらに管理部門を効率化して、職員数削減の可能性を追求するというのが、総長の発表です。

テンプル大学の6年間卒業率は67%。全米平均より10ポイント高い。10年前の44%からも大幅上昇。

日本の大学で「卒業率」というと、たいてい4年間で計算しますが、アメリカでは6年間が普通。そして、平均して日本より相当低いのが現状です。アメリカでは大学間のトランスファー(転出・転入)が多いのも理由のひとつでしょうが、根本的には「入るのが難しいか、出るのが難しいか」の違いかと思われます。

つまり、卒業率は「高いほどいい」わけでもないのですが、やはり学生は順調に卒業していくことが望ましい。「6年間卒業率」をどれだけ上げられるかは、アメリカの大学にとっては生産性や効率という面からも重要な戦略です。

テンプルはこの5年でアカデミック・アドバイジング(学生の卒業までの履修計画を指導・支援する)スタッフを1.5倍に増員し、卒業率の向上を図ったそうです。「8学期間の標準履修モデル」(通常は1年2学期×4年で卒業を目指す)なるものも作られたそうで、ある意味、これまで学生の自己責任だった部分に大学側の関与が増えた格好。これなどは、むしろ「面倒見のよさ」を売りにする日本の大学に、少し近づいたような気もします。

ちなみに、あくまでテンプル大学の1キャンパスである日本校単体の「卒業率」というのは、本来存在しません。ただ、特に2005年の「外国大学日本校」指定以降、入学から卒業までジャパンキャンパスだけで過ごす学生の割合が増加したのも事実。2006年秋のジャパンキャンパス新入生が、6年後の2011年秋までにどれだけ卒業したか、今年秋の調査結果が待たれるところです。

(中川)

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