テンプルこぼれ話

テンプル大学ジャパンキャンパス 広報部blog

何年も前に大学を卒業したみなさん、あなたに「学士力」はありますか?

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2009年の世相を表わす漢字は「新」だそうですが、大学関係者の間で今年の漢字といったら、「力」ではないでしょうか?

昨年の今ごろ、中教審が答申した「学士力」。以来、それが見出しに入った記事はたくさんありましたが、今月7日にも産経新聞から、「国際的『学士力』を問う」という別刷りの特集が出ました(宣伝します。テンプルも学長インタビュー広告出しました。産経のサイトでどうぞ)。

そこで経済界、教育界、文部科学省を代表して4人の方が、あらためて「学士力」について議論しています。

経済同友会の方は、企業が「学士」に望む資質として、「問題解決型個性」、「相対的な距離感覚」を備えた人材、「知識融合・創造型」の人材、の3つを挙げています。それぞれの意味するところ、詳しくは上記のサイトをご覧いただくとして、いずれも最近よく耳にする概念ですよね。経産省の提唱した「社会人基礎力」にも、「他人に働きかける力」「周囲との関係を理解する力」など、似たような言葉が並んでいます。

正直、こういう話を読んいて私が感じることは、

You guys are asking too much!

大学卒業したての人間に、これは期待しすぎなのではないか?

ということです。

実際、彼らが企業に入ってお手本とすべき先輩社会人たちは、みんなこういうスバラシイ能力を持ち、遺憾なく発揮しているんでしょうか?もっと言えば、本当に企業はすべての従業員にこういう「力」を望んでいるのでしょうか?

私は20年余り、テンプル含めて大小いくつかの企業でサラリーマン生活をしてきましたが、振り返ってみると、まわりは決してそんな「問題解決型」「創造型」の人ばかりではありませんでした。

もちろん、大学までの学校生活の中でも身につけられる「問題解決能力」はあるでしょう。学校という組織のなかで「周囲との関係を理解する力」も、ある程度生まれるでしょう。でも、学校でお金を払って勉強することと、社会に出てお金をもらいながらやる勉強では、その質がまったく違います。実際にいくつも問題にぶつかることでしか、本当の解決能力は身につかないし、いろいろな人に揉まれなければ距離感もわかりません。上に立ってみなければ人の動かし方もわかりません。

それは、現役の社会人にも言えることです。

先輩や上司が、常に自ら課題を見つけて解決していく姿勢を見せなければ、部下に「問題提起能力」なんて求めても無理な話でしょう。

ちなみに、論理的思考力や創造型人材といった概念は、テンプルのマーケティングでもよく使う、critical thinkingとかcreative thinkingといった能力と対応するようです。しかし、ここで敢えて言えば、アメリカの大学を出たからといってこういう能力が自動的に身に付くわけではありません(当たり前ですが)。むしろ、帰国生は自己主張ばかり強くて中身が伴ってない、なんて話はよく聞かれるとおりです。だからこそ、本当に身に付けさせるという意味で、大学の「教育力」が問われている、ということなのかもしれません。

私が新卒を採用する立場だったら、まず見るのは、明るさ、最低限のマナー(立ち居振る舞い)、そして日本人なら正しい日本語の読み書き能力ですね。それだけあれば、他は後からついてくると思うのですが、私は古いのかな・・・

社会人の私たちにとって「学士力」の報道は、大学生のお手本となるべき自らの力を振り返る、よい機会なのではないか、と思います。

(中川)

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