テンプル大学総長職の行方は?

第9代にしてテンプル初の女性総長として、2006年からこのマンモス大学を率いてきたアン・ウィーバー・ハート総長。任期満了に伴い、この6月末をもって総長職を辞することは、すでに昨年9月に発表されていました。

企業の場合、次の社長が決まる前に現社長の退任だけが発表されることは、まず考えられないでしょう。しかし米国の大学では、総長に限らず、学術部門トップであるプロボスト(Provost)や各学部長(Dean)の職も、退任が決まった時点で先に発表が行われるのが通常のようです。

テンプルでも、9月の退任発表の直後から後任探しがスタート。サーチのプロセスが非公開だったこともあり、学内外では当初からいろいろな憶測が飛び交いました。しかし、退任まで2ヶ月を切っても発表がないことから、もしやしばらく総長不在の可能性も?とみなが感じ始めたところ・・・

現地時間の23日、現プロボストのリチャード・イングラート氏が、7月1日付けで総長代行(Acting President)に就任することが発表されました。

たとえActingであっても、一時的にでもリーダー不在になる事態は避けられたのは喜ばしいことです。ことにイングラート氏は、大学経営の専門家として1976年からテンプルに勤める大ベテラン。教育学部長や総長室事務長をはじめとするさまざまな要職を歴任し、大学のことは知り尽くしています。

ではこのまま、代理などといわずに第10代総長に就任すれば・・・と思わないでもありませんが、フィラデルフィア地元紙の報道によると、ご本人にそのつもりはないようです。

39,000人の学生を抱え、17の学部・研究科と大学病院を運営し、22億ドルの予算を差配するテンプル大学総長職。拙速な判断をせずに、もう少し時間をかけてこの重責を引き受ける人物を絞り込んでいく、ということなのでしょう。それも、発表によれば「今後数ヶ月のうちには」決まる見込みとのことです。

なお、6月3日のテンプルジャパンの卒業式は、テンプル総長としてハート氏最後の来日となります。在職6年間を振り返ってどんな話をしてくれるのか楽しみです。

(中川)

卒業式の季節がやってきました

アメリカの大学では今が卒業式シーズンです。

テンプル大学の米国本校では、現時時間の明日5月10日(木)に、第125回卒業式が行われます。

毎年、フィラデルフィア市内のキャンパスにあるリアコーラスセンターという、1万人収容の巨大ホールで開催されるのですが、その珍しい?「いす並べ」の様子が本校のウェブサイトに投稿されていたので、紹介しましょう。

Commencement ceremony chairs are set to a T

ごらんのとおり、赤白の椅子を使ってちゃんと「T」のロゴを作ってるんですね~。

学生が座ってしまえば当然見えなくなるので、式典中の写真しか見慣れていなかった私たち、こんな手間がかかっていたとは知りませんでした(笑)

さて、米国大学の卒業式の装いといえばガウンと式帽ですね。これは原則として卒業生が購入するのですが、ここで個性を発揮する人もいます。特に帽子は主張しやすいツールのようです。

毎年8,000名以上の卒業生を輩出するテンプル大学では、リアコーラスセンターでの全体セレモニーとは別に、各キャンパスやスクールごとの式典も開催されます。

ジャパンキャンパスの卒業式は6月3日(日)に品川プリンスホテルで行われます。

今年も元気に旅立っていく学生たちの姿を見るのが楽しみです。

(中川)

Film, film, film!

事後レポートですが、4月5日に学内で行われたTUJ Film Festival(学生映画祭)について少々。

毎年桜のころに開催されるこの映画祭、授業課題として制作された作品を中心に、今年は15本のショートフィルムが上映されました。時間の都合で私はそのうち4本しか観られなかったのですが、今年は例年にも増してクオリティが高くてびっくり!

もちろん、「うちの学生たち」の作品ですから多少の贔屓目があるのは認めます。が、客観的にみてもかなりの出来栄えだったと思います。

コミュニケーション専攻の学生はジャーナリストやマスコミ志望も多いので、まあ、カメラワークや編集といったところは「プロはだし」がいてもおかしくないと思っていましたが、今回びっくりしたのは、脚本と演技です。テーマの選択やストーリー展開も興味深かったですが、見覚えのある学生たちの台詞回しのなんとこなれていること。でも中には、どうみても素人とは思えない演技者もいました。まさかと思って担当教員に確認したところ、演技は授業の採点対象に含まれていないため、必要な場合は俳優・女優の「アウトソーシング」を認めていたそうです。やっぱりそうでしたか(笑)

あと、重要なのが字幕ですね。

字幕翻訳には字幕翻訳のスキルが要求されますが、見た作品はどれも日英・英日とも違和感がなく、いたく感心しました。こちらは正真正銘すべて学生によるもので、授業でもメインの課題となった仕事だそうです。

映画祭当日、会場となった教室は満員御礼で、外部からの観客も含めて立ち見の出る大盛況でした。その週末には、会場を東京・原宿のデザインフェスタ・ギャラリーに移動して再度上映会が行われましたが、デザインフェスタのスタッフの方がその様子をブログで書いてくださっています。

その方もやはり全作品をご覧になったわけではないようですが、Hiroki Tokaiさん監督の「Janitor Ojisan」が印象に残ったとのこと。キャンパスの清掃員・鈴木さんをテーマにしたショートドキュメンタリーですが、私もこれを観てなんともホノボノした心持ちになりました。

テンプルジャパンの学生映画祭、実は2000年代初めにはネクストフレーム映画祭として、学外とも連携してもっと大規模に行われていたこともありました。この映画祭が再び大きなイベントに育ち、願わくば将来のアカデミー賞受賞者が生まれますように!(中川)

大学生に勉強させるには

今日の日経新聞で、中教審の大学教育部会が「学生が授業以外で主体的に学ぶ時間を増やすよう各大学に求める提言をまとめた」という記事を読みました。

提言そのものを読んでいないので断片的になりますが、「専門家が提出した調査結果」というのが添付されているらしく、それによると

日本の大学生の勉強時間は1日4.6時間(授業を含む)

だそうです。

え?授業を含んでこの時間?いくらなんでも少なすぎませんか?(我が大学時代は棚にあげるとして)

さらに、記事中の棒グラフを見ると、勉強時間「1時間未満」というツワモノが1割も!

1日1時間も勉強しない「大学生」がいるのですね。

一方、11時間以上勉強する学生も15%くらいいますが、比較対象のアメリカとなると「11時間以上」が実に6割を占めています。なんなんでしょう、この差は。

なんでも誇張して自己申告が多めになりがちなアメリカ人気質と、がんばってるところ見せるとカッコ悪い的な日本人の謙遜体質も、少しは影響しているような気もしますが・・・

ただ、テンプルジャパンの日本人学生・卒業生に聞くと、謙遜はどこへやら(笑)、「人生であんなに勉強したことはない」「あれほど勉強したら、どこへいっても怖くない」といった言葉がよく出てきます。(卒業生コメント集はこちらからどうぞ)

半分宣伝になってしまいますが、やはりアメリカの大学の学生は総じて勉強時間が長いんだと思います。

さて、中教審の提言によれば、日本の大学生の勉強時間がこんなに少なくて済むのは、自主的な予習・復習があまり必要とされないからだそうです。

だから大学は「予習・復習をしっかり行う課題解決型の授業などを中心にすべき」で、そのためには、

• 学生が事前に準備しやすくなる内容の濃いシラバス(授業計画)の整備
• 体系化されたカリキュラムの整備
• 授業を補助するスタッフの充実
• 教室内のICT(情報通信技術)機器や図書館機能の充実

などの仕組みが必要だとのこと。

・・・つまり、今のシラバスは内容が薄く、今のカリキュラムはちゃんと体系化されてない、ということになってしまいますが、これ、シラバスやカリキュラムは大学の基本の「き」だと思っている一般人にとっては、結構なショックじゃないでしょうか?

さらに驚きなのは、提言が国に対してこうした大学の取り組みを財政支援するよう要請した、というところです。

「大学生に勉強させる」ためのコストは、だれが負担するのが公正なのか、あらためて考えさせられた記事でした。(中川)

テンプルのつぶやき

本日、米国本校が発表したニュースによれば、テンプル大学のオフィシャルツイート、@TempleUnivのフォロワーが1年で3倍に増えて1万人を突破!某モニターサービスによると、「アメリカで最も影響力の大きい大学ツイート」トップ20に入ったそうです。

本校は他にも、@TempleU_SciTech @TempleHealthMed @TempleUArts @TUGovtAffairs @iThinkatTemple といったアカウントで次々にツイートを開始。科学技術、医療、芸術など、よりセグメントされた情報をきめ細かく発信しています。

コミュニティとのつながりを強化するツールとして、これからもソーシャルメディアの爆発的な威力を活用していく方針のようです。

・・・で、フォロワー1万人って多いんでしょうか?

同じ大学でも部門や研究室がそれぞれツイートしてる場合も多いですから、単純な比較は難しいですが、参考までに先ほど覘いてみましたら、ハーバード大公式アカウントのフォロワーは10万人余り、早稲田大学のは1万1千人余りでした。

一方、テンプルジャパンの公式ツイート@tujweb(ニュース関連)のフォロワーは本日現在728人。4桁の達成はなかなか時間がかかります・・・ (30周年記念事業の関連情報もつぶやいてますので、ぜひフォローお願いします!)

ちなみに、日本ではソフトバンクの孫正義社長の150万人が最多らしいですが、こうしてみると、レディーガガさんの1979万人って、改めてすごいのですねえ・・・

(中川)